脳心note

脳科学や心理学に関して論文をもとにわかりやすく解説していきます。

本当に悪口はスッキリするのか?悪口のあとの生体反応について

職場や学校、家庭内や恋人同士…

全ての人間関係は円満に送れるものではありません。

 

職場や学校でウマが合わない人と遭遇することは少なくありません。

家庭内や恋人同士でも仲たがいすることはあると思いますし、親しいからこそ嫌な面が目立ってしまうことがあります。

 

そういったストレスを皆さんはどのように発散していますか?

 

基本的にそういったストレスはお酒&愚痴で発散することが多いのではないでしょうか?

 

お酒&愚痴の組み合わせってものすごいすっきりした感じになりますよね。

しかし…はたして本当にすっきりしているのでしょうか?

 

今回は愚痴・悪口を言っている人にどういった反応が起きているのかを解説していきたいと思います。

 

職場で嫌いなひとがいる方、めちゃくちゃ悪口を言う人が周りにいる方、愚痴ばっか言っている人が周りにいる方、ぜひ参考にしてください!!

www.jstage.jst.go.jp

 

 

 ストレスと中枢神経(脳)の関係

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人間の体は、この変化し続ける環境に適応するために、体を丁度良い状態に保とうとするシステムがあります。

 

それをホメオスターシス(恒常性)といいます。

 

しかし、このホメオスターシスにひずみを生じさせる精神的、物理的事象がストレスといわれています。

 

ストレスを生じると脳は以下の反応を示します。

 

①ストレス発生

 

②脳の下垂体前葉というところから副腎皮質刺激ホルモンを分泌させる。

 

③上のホルモンにより副腎皮質からコルチゾールを分泌させる。

 

コルチゾールは全身の細胞にアミノ酸、脂質を急速に動員させる。

 

という反応を起こします。

 

これだけ見ると「コルチゾールは結局アミノ酸と脂質を使いまくるの?」となりますよね。

 

コルチゾールは主に免疫系、中枢神経系、代謝系に関しても影響を及ぼします。

 

特に、記憶を司る海馬に強く作用します。

これは、海馬ー視床下部ー下垂体ー副腎皮質でコルチゾールの分泌をコントロールされているからです。

 

そしてコルチゾールの長期投与に関する研究もされています。

 

長期にわたってコルチゾールが分泌され続けると海馬が委縮させる。

 

うつ病の患者はコルチゾールの数値が高い 

という報告もあります。

 

つまり、ストレスを感じ続けてコルチゾールが分泌され続けると身体の不調のみでなく、中枢系では記憶のボスである海馬に影響を与え、記憶能力の低下に作用してしまうのです。

 

愚痴を言っている人は本当にすっきりしているのか?

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では、本題に入ります。

実際愚痴、悪口を言っている間、本当にストレスは発散されているのでしょうか?

 

結論から言いますと、愚痴・悪口はストレスを発散できていません。

 

むしろ逆でストレスをためています。

 

実際、皆さんも愚痴を言った後「聞いてくれてありがとう!スッキリしたわ。」

 

と、いいつつ本質は解決していないからちょっともやもやはしていませんか? 

 

まず、愚痴をいうと、愚痴の対象となる人間に対して怒りや妬みといったマイナスな感情を抱きますよね。

 

このマイナスな感情、いわゆるネガティブな感情は口にすると、強化されていきます。

 

ネガティブな感情が強化されると、対象の人に対してネガティブにしか考えられなくなります。

 

そうなると自然とストレスがたまっていきます。そうなると先ほど述べた通り、免疫や中枢神経へ悪影響を及ぼしてしまいます。

 

つまり、発散できているのではなく、悪循環に陥っているのです

ストレス発散ってどうしたら良いのか?

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嫌なことがあると誰かにわかってもらいたいという気持ちはわかりますが、愚痴や悪口発散するというのはあまりお勧めできません。

 

では、愚痴を言わずにどうストレスを発散させればよいのでしょうか?

何パターンか紹介していきます。

 

①仕事が遅い、人任せすぎる

チームで仕事をするうえで仕事が一人遅いといろんなことに影響がでてきますよね。

しかし、厳しくいっても響いている様子はない。

 

ものすごく愚痴を言いたくなりますよね。私も書いてて思いました。

 

こういった場合は、もしかしたら別の仕事を任せると案外うまくいくかもしれません。

仕事のスピードが遅いということは、その仕事が苦手、もしくはしたくないことかもしれません。

 

どうしても気分が乗らないことや苦手なことは仕事が遅くなってしまうものです。

思い切って違う内容をメインで振ってみても良いかもしれませんよ。

 

②悪口や文句を常に言っている。

どこの世界にもいると思います。

そういった人は結構煙たがられますよね。

 

悪口を言っている人はそれに気づいていません。

こういう場合はとにかく悪口を聞かない環境つくりに尽力した方が良いです。

 

悪口は言うより聞く方がものすごく悪影響が出ます。

これに関しては書くと長くなると思うので今度紹介します。

 

とにかく悪口を言う人とは距離を置きましょう!!

 

③上司とウマがあわない

どうしてもあわない上司というのはいます。

考え方が合わない人もいれば経営方針が気に食わない…と合わない理由は挙げだせばキリがありません。

 

何故上司と合わないかによりますが、明らかにパワハラモラハラでなければとにかく上司の考え方をサシで聞くことをお勧めします。

 

対抗心や反抗心バチバチの部下と上司も仕事はしたくないと思います。

 

上司は部下を守らないといけないので部下から歩み寄れば分かり合える落としどころを少なからず見つけてくれると思います。

 

もし、押し付けてくるようでしたら、愚痴を言う前に「この場にいて自分は成長できるのか?」と考え環境を変えるのも手です。

 

前回の記事でも話しましたが、一番大事にすべきは自分の心と体です。

まとめ

 今回は、ストレスによる体の反応と悪口を言うことによる生体反応に関してお話しました。

 

愚痴&飲み会はたしかにストレス発散にもってこいのように感じられますが、実は悪循環を生むことを知っていただければ幸いです。

 

ストレスは思っている以上に身体に影響を及ぼします。

愚痴や悪口を言わないようにも環境づくりに注意しても良いかもしれません。

 

また、良いストレスの発散方法なども解説していきたいと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

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