使わないと忘れてしまう?エビングハウスの忘却曲線について
みなさんは、資格の勉強をしたことはありますか?
資格じゃなくても、高校や専門学校、大学などで徹夜をした経験はないでしょうか?
その時のテストや課題はうまくいってもその内容を今現在も覚えていますか?
人間の記憶は、使用しないものを忘れる傾向にあります。
みなさんは、エビングハウスの忘却曲線というのをご存じでしょうか?
今回は、エビングハウスの忘却曲線と記憶に関して解説していきます。
記憶とは?
そもそも私たちは「記憶」というものをどのくらい理解しているのでしょうか?
まずは、記憶に関して解説していきたいと思います。
記憶は、我々の生活に欠かせない脳の機能だと思います。
記憶には、さまざまな種類があります。その種類はおもに持続時間の長さでタイプが分類されます。
時間的な持続力から長期記憶、短期記憶と分けられます。
長期記憶
記憶といわれて最もイメージされるのが長期記憶です。
長期記憶は年、月、日、個人的な経験等も含まれています。
また、体で覚えた記憶も長期記憶に含まれます。
こういった記憶には名前がちゃんとついています。
エピソード記憶
エピソード記憶は、名前の通り、イベントの記憶です。
エピソード記憶は時間や場所、その時の感情等が含まれます。
その記憶はストーリーのような感じなので、詳細に覚えられているものです。
気になる人とみた絶景とか鮮明に覚えているものですよね。
意味記憶
生まれて学習する記憶は意味記憶とも言われています。
赤ちゃんが覚える最初の言葉も意味記憶です。
わかりやすい例でいうと、家族の名前や誕生日、個人的な事実から社会的な現象までも指します。
手続き記憶
手続き記憶は、いわゆる技術やノウハウの記憶です。わかりやすい例でいえば、自転車の乗り方だとイメージがつきやすいと思います。
久々に自転車に乗った時案外乗れることがありますよね?
これは一旦経験した記憶は意識的な処理を伴わず自動的に機能するためです。
この記憶は大脳基底核と小脳で処理されます。
短期記憶
短期記憶は別名即時記憶と呼ばれます。
ごく短時間に感覚した記憶を保持する記憶です。
保持時間も短く、一度に覚えられる量も限界があります。
エビングハウスの忘却曲線とは?
そもそもこの理論は、ドイツのエビングハウスさんという方が実験をし、証明させた理論です。
引用:http://shitsumon.club/2017/09/15/cocoroblog
このエビングハウスの忘却曲線は、時間の経過と忘却の関係を表しています。
この図でもわかるように記憶が定着してから20分、1時間で大きな忘却を呈していますが、そこからは緩やかな忘却になっていますね。
この図を見るだけだと、「一日で記憶したことは67%も失われてしまう…」
と考えてしまうと思います。
しかし、忘却とは、「記憶の衰退」ではないということをご理解ください。
「忘却」と聞くとあまりよいイメージではないと思いますが、忘却は情報を振るいにかけるプロセスでもあります。
余計な情報を遮断し、役にたたない情報を一掃するというのも脳の機能なのです。
必要のない情報をずっと記憶していても無駄ですからね。
しかし、この曲線から学習の最適なタイミングや法則は見いだせます。
この曲線から導き出せることは以下のことです。
- 学習は1度目より2度目の方が思い出しやすい
- 始めの学習より2度目の学習の方が吸収しやすい
- 学んだ直後の情報はすぐ忘れてしまうがあとは緩やかにわすれていくため、早めの復習が大事
- 一度に大量に学ぶより、数回に分けて学んだほうが吸収しやすい。
まとめ
今回は記憶とエビングハウスの忘却曲線について解説させていただきました。
記憶に関する研究はたくさんあり、エビングハウスの忘却曲線は不完全だという研究者もいます。
しかし、このエビングハウスの忘却曲線が理にかなっており、多くの研究者が着目したことも事実です。
この忘却曲線をみていると資格や学校のテストを一夜漬けですることは、本当に効率が悪いことを痛感させられます。
一夜でテスト範囲を学習しても結局半分以上は忘れてしまいますからね…
結局のところ学習や勉強は本番(試験)の前にある程度コツコツ積み重ねておくことが重要なんだと思います。
今思えば、一夜漬けの内容ってあまり頭に残っていないです…
脳科学的に効率の良い学習の仕方に関してはまたの機会に解説していきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。