人間の情動を司る脳(大脳辺縁系について)
普段の記事では、「人間はこういった時どう言う脳活動をしているのか?」といった記事を中心に書いていましたが、今回は、脳の部位による役割について解説していきます。
今回は、大脳辺縁系と言う部位に関して解説させていただきます。
ちなみに、今まで大脳辺縁系が絡んでいる記事は以下の記事です。
probrain-logical.hatenablog.com
probrain-logical.hatenablog.com
この記事で紹介した際の脳活動にはある共通点があります。
そう、感情が関わっているのです。
禁煙や意思の強さ、嘘をついているか?とは違い、笑顔の時や怒っている時の脳活動を取り上げていますよね。
今回紹介する大脳辺縁系は「喜怒哀楽」「情動」など人間の本能的な面で働く部位です。
この脳機能に関して解説していきたいと思います。
大脳辺縁系
大脳辺縁系は、大脳の奥深くに存在する尾状核と被殻からなる大脳基底核の外側を取り巻くような形をしています。
わかりにくくて申し訳ありません…
この黄色で囲ってある紫色の場所が大脳基底核です。
ここの外側を囲っている場所が大脳辺縁系になります。
引用サイト
はじめにもお話ししましたが、大脳辺縁系は人間の情動、意欲、記憶、自律神経の活動に関与しています。
この部位の活動はとても重要で、生命維持や動物としての本能行動にも関わってきます。
各部位の特徴
大脳辺縁系はいくつかの部位で構成されています。
構成されている部位で役割が違ってくるのです。
前帯状皮質
脳には左右の大脳半球間の神経命令を伝達する線維(脳梁)を取り巻いています。
前帯状皮質は、血圧、心拍数の調節という自律機能を担っています。
また、報酬を予測する機能や、意思決定、共感や情動といった認知機能や感情関係の働きをしています。
帯状回
帯状回は以下の領域があります。
・情動領域
・認知領域
・空間認知領域
・記憶領域
うつ病や不安症などは情動領域、認知領域に何かしらの問題があることが多いようです。
他にも作業記憶(ワーキングメモリー)や感情も関与しています。
扁桃体
扁桃体には、味覚、嗅覚、内臓感覚、聴覚、視覚、体性感覚などあらゆる種類の刺激が、嗅球や脳幹から直接的に、入ってきます。
また、大脳皮質内で処理された情報および海馬からの情報が扁桃体に入ってきます。
扁桃体の役割は、「感情」に重要な働きを示します。
主に、恐怖感、不安、悲しみ、痛み、喜び、情動の処理など交感神経(興奮した時に働く神経)に関与します。
扁桃体は海馬からの記憶情報を統合してそれが快か不快かを判断する役割をになっているのです。
海馬・海馬傍回
海馬は、記憶のボスです。
記憶に関しては下記の記事をご参照ください。
probrain-logical.hatenablog.com
海馬は主に記憶や学習に関与しています。
しかし、この部位はストレスにとても脆弱です。
この部位が萎縮する疾患が認知症です。
海馬傍回は海馬周囲の灰白質で、人の顔や名前というよりは風景などを記憶するときに高い活動を示すようです。
海馬傍回が損傷すると、人や家具などは認証できるのに風景などが認識できなくなるようです。
認知症に関してはNoteにも記載していますので是非ご覧ください。
まとめ
今回は大脳辺縁系に関して解説させていただきました。
この大脳辺縁系ですが、最近の心理学関連の書籍や脳科学関連の書籍でよく名前を目にします。
それほど人間の生活の中で重要な部位ですので理解しておいて損はないと思います。
名前が複雑なものが多いので覚えにくいっちゃ覚えにくいんですけど、「こんな働きするんだ!!」くらいで良いと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
noteでは認知症関連や神経系に関する話もしています。
よろしければこちらもどうぞ。