「なりたい自分」になる!報酬系について
論文紹介
報酬の脳内表現
はじめに
- あらゆる動物は、水や餌、性行動の対象などの報酬を求めて行動し、生命維持・生殖を実現している。
- 生体は「報酬刺激のみを感じ、処理する特定の受容器や感覚器を持っていない」ので報酬を刺激の物理的性質によって定義できない。
- 脳はさまざまな刺激を情報処理する過程のどこかで報酬として意味付けが行われる。
- 報酬として意味づけられた刺激は、快感を感じさせることにより「学習における強化子」となる。
- その強化因子により意思決定や目的志向的行動における「基盤的情報」としての役割を持つようになる。
脳内における「報酬系」
- 脳内自己刺激行動が誘発されるのは脳の関係領域に対する電気刺激によって快感が生じているから。
- 快感を感じる際に関係する脳領域を「報酬系」と呼ぶ。
ドーパミン細胞 報酬の予測誤差の検出
反応:喜び・快感を感じたということ。
サルとエサ
最初:エサに手が触れた時点(一時報酬)で一過性の反応を示した。
数回後:条件刺激(エサに関わる行動 → 自分:芸をした時 相手:エサの棚を開けた時など)に反応を示した。
その後、エサに手が触れた時点でも同様かそれ以上の反応を示している。
まとめ
「報酬を得る前」「報酬を与えられた時点」それぞれ別の反応をしている。
つまり、「喜びという結果は同じでも、それぞれ別のアプローチによるもの」ということ。
例えると「コーヒー配達で収入を得た」それは「コーヒー代」と「配達代」の収入。
刺激とドーパミン反応の関係
①「条件刺激=貰えるであろう行動を感じ取った時」=過程
特徴:喜び量の関係は報酬確立が高いほど強い活動が見られる。
(喜び:強100%→75%→50%→25%→0%弱)
②「報酬確立=報酬を得ることができると思った時」=結果
特徴:報酬確立が低いほど「報酬を得た時の喜びは大きい」
(喜び:弱100%→75%→50%→25%→0%強)
※報酬を得る(ドーパミンが投射される)流れ
『人間が報酬を得たと感じる』のは「脳内で報酬を得たと表現したとき」
『脳内が報酬を得たと思う』のは、複数の脳領域の報酬系領域に「脳内電流が送られた」時。
『脳内電流を送るため』には、各脳領域に「軸索を接続」しなければならない。
『軸索を接続』するためには、各脳領域の必要箇所に「軸索を伸ばさなければ」ならない。
『軸索を伸ばす』ためには、「脳への指示を繰り返し行う」ことが必要。
まとめ
ヒトはどのような時に喜びを感じる生き物なのでしょうか。
結論:ヒトは「報酬を得ることで喜びを感じる生き物」です。
報酬は大きく分けて「過程」と「結果」の2方向から得ています。
例えば「チャイムが鳴るという(過程)→休憩できる(報酬)」「秋から夏までの半年間食事制限ダイエットする(過程)→夏の海をより楽しめる(報酬)」
のような感じです。
そして喜びという感情は「脳内にドーパミンが放出される」ことで感じています。
次に「過程・結果」と「ヒトが喜びを感じる量(脳内にドーパミンが放出される量)」の関係についてお伝えいします。
過程とは行動、結果とは報酬を得た時、ドーパミン量はよろこびの大きさですね。
ドーパミン放出量の特徴
- 過程と報酬両方に放出される可能性がある。
- 過程による放出量は報酬確率が高いほど高まる。
- 結果による放出量は報酬確率が低いほど高まる。
報酬確率(高):チャイムが鳴る(過程)→休憩できる(報酬)
チャイムが鳴った時点でほぼ休憩という報酬を得ることができるので「チャイムが鳴った時点でドーパミンが放出されている」
休憩に入ることができた時「休憩に入ることはチャイム時に確定していたのでドーパミン放出は少ない」
報酬確率(低):秋から夏までの半年間食事制限ダイエット(過程)→ダイエット成功でやせることができた(報酬)
毎日の食事制限ではすぐに結果が出ないので「ドーパミンの放出量が少ない」
食事制限をの継続によりダイエット成功し「ドーパミンが放出された」
つまり、予想外の報酬がもたらされた出来事に関して脳の報酬系は強く働きます。
人を動かすためにはまず褒めろという言葉があります。
カーネギーさんの「人を動かす」という本にかいてありました。
報酬というのは物だけではないと思います。
言葉というのも一つの報酬です。
信頼を得るためにもねぎらいの言葉をもらえると人は頑張れるものです。
予想外に上司に褒められるとわたしもやる気がでます(笑)
同僚や部下との関係を円滑に進めるためにも「報酬」の考え方を深めてみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。