脳心note

脳科学や心理学に関して論文をもとにわかりやすく解説していきます。

幸せホルモンとは何か?オキシトシンについて

前回、怒りに関する脳科学についてお話させていただきました。

probrain-logical.hatenablog.com

 

人が怒りを感じた時、人を戦う体勢にするホルモン「ノルアドレナリン」が分泌されます。

 

では人が幸せを感じたときに分泌されるホルモンはなんなのでしょうか?

 

最近では、結構テレビでちょちょこ聞く「オキシトシン」です。

 

オキシトシン」とはどういうものなのでしょうか?今回は「オキシトシン」に関して解説していきます。

 

 オキシトシンとは?

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オキシトシンは、9種類のアミノ酸からなる「ペプチド」です。

ペプチドとはアミノ酸を細かくしたやつと思ってください。

脳内の「視床下部」というところから分泌されます。

 

視床下部はホルモン分泌の監督みたいな場所で、自律神経にも関与しています。

 

このオキシトシンは母乳の分泌や出産時の子宮の収縮にも関与します。

 

女性の関連性が高いので今まで女性に対する研究が多かったのですが、女性だけでなく男性も分泌されます。

 

女性と男性共に、「やすらぎ」や「結びつき」、「触れ合い」により分泌される物質なのです。

 

 

オキシトシンの役割

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オキシトシンは人を含む哺乳類の視床下部の中にある室傍核視索上核という場所で作られます。

 

室傍核や視索上核は視床の部位の名前です。

 

オキシトシンを産生する細胞は脳内のいろいろな場所や脊髄に神経終末から放出されるオキシトシン神経伝達物質として作用します。

 

脳内に放出されたオキシトシンの効果としては、「痛みの緩和(鎮痛)」「不安の軽減

摂食欲求を抑える」があります。

 

心理・社会的側面では、「子どもに対する親和性」「他者への信頼」「社会的記憶」が関与しています。

 

オキシトシンの第一研究者であるKerstin Uvnas Mobergさんはオキシトシンを中心とする整体のシステムを「安らぎと結びつきシステム」と呼んでいます。

 

オキシトシンの効果である不安軽減や鎮痛、身体的なストレス半減など安らぎをもたらします。

 

そしてオキシトシンによる信頼感や共感は他者との信頼関係を強くします。

 

 

 

どういう時に分泌するのか?

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 ではそのオキシトシンはどういう時に分泌されるのでしょうか?

オキシトシンの放出は感覚刺激により促進する結果が様々な研究結果で報告されています。

 

母親を対象とした研究では授乳時や乳児の匂い(嗅覚刺激)、泣き声(聴覚刺激)でも分泌が認められたそうです。

 

成人での研究では、マッサージを受けている時や肌と肌が触れ合ったり、動物との触れ合いでも分泌されます。

 

 

 

まとめ

 幸せホルモンであるオキシトシンについてお話させていただきました。

このホルモンは信頼感けいにも関わっており、心理学面でもいろいろなお話で関与しています。

 

書こうと思えば沢山の話題があるホルモンと言えます。

 

恋人同士のスキンシップでもしっかり分泌されます。

カップルの幸福感が高いのも肯けますね。

 

最後まで呼んでいただき有り難うございました。

 

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