睡眠学習は本当にあるのか?睡眠と学習について
人間の3大欲求の1つに睡眠欲というものがあります。
人間の生きるための欲求でもあるので誰もが上質な睡眠を求めます。
実はこの睡眠、なぜ人は眠るのか?という真実は分かっておらず、科学的な説明として合意を得ているものはないみたいなのです。
睡眠の目的としては体を癒すため、気分を落ち着かせるため、筋肉をつけるため、生きるための判断をしっかりするためと生きる上で重要な役割を果たします。
そして睡眠は学習にも関与するというのはご存知でしょうか?
テストの前に徹夜をすると非効率なのは実際に体験したことがある方もいるだろうですし、よく聞く話だと思います。
今回はこの睡眠学習に関して解説していきたいと思います。
睡眠学習って何?
睡眠学習は読んで文字の如く、眠りながら学習することです。
2014年にスイスのビョーン・ラッシュという方が、眠っている間に外国語を聞き流すのは、学習に効果的であるということを実験で証明しています。
実験の内容は、60人の学生を対象にしたテストで、この学生たちを半分に分けます。
そして、その学生たちを午後22時に初めて学習するオランダ語の単語を幾つか学ばせました。(夜22時から単語の勉強って厳しいですよね。)
ここで1つのグループには、睡眠中(ノンレム睡眠)に午後22時に学習した内容を録音したものを聴かせました。
もう1つのグループには、起きたまま録音したものを聴かせ、おまけに仮眠もさせなかったみたいです。
結果は、仮眠をとったグループが単語の意味をよく理解していたそうです。
考察として、睡眠不足もあったと思いますが、仮眠グループの脳波を記録していたところ、
右前頭部、左頭頂部でシータ波の波長が増加していたそうです。
シータ(θ)波
睡眠入る状態や浅い睡眠の時に出てくる脳波です。
瞑想が浅い状態で出る脳波はアルファー(α)波ですが、瞑想が深くなるとシータ波が出てきます。
そしてこのシータ波は、閃きを生みやすい脳波なのです。
頭頂葉は感覚、情報の集積、言語処理を行う役割を担っています。
そしてシータ波は閃きや記憶と関わりがあるため、この研究結果は理にかなっていますよね。
睡眠の段階で何が起きているのか?
睡眠には「夜間シフト理論」というものが存在します。
この夜間シフト理論は、ベネディクト・キャリーという方が提唱し、この理論には睡眠のフェーズというものがあります。
まずは、睡眠の段階のグラフをご覧ください。
引用:睡眠周期、寝返り、ホルモン分泌…一晩の眠りにもリズムあり | ねむりラボ
では、このグラフの段階を追って説明していきます。
段階1
睡眠のスタート地点です。眠りに就こうとするならこの浅い眠りは避けることはできません。
この段階では、記憶の強化としての役割は果たしません。
レム睡眠の段階と役割が被ることが多いです。
レム睡眠
レム睡眠は脳は起きていて体は眠っている状態のことです。 脳は起きているため、眼球が動いたり、夢をみたりします。
この状態の時は学習の面で役に立ちます。
主に、パターンの認識や創造性に関与します。
眠り始めにはシータ波が出るので閃きが出やすいのです。
段階2
この段階2は運動に関する記憶が特化しています。
つまり、運動を学習するためにとても重要なフェーズです。
運動学習に携わるということは、スポーツや楽器の演奏など睡眠を取らないとスキルは上達しないということですね。
段階3&4
この二種類の段階は、記憶が脳に定着する時期です。
学習における睡眠のメリットが凝縮されているフェーズです。
深く眠るということは、とても重要なのです。
とりあえず本当にしっかり学習したいのであれば夢を見ているどころではないほど深く眠れということです。
まとめ
今回は睡眠学習に関して解説させていただきました。
学習や記憶に関してはこちらの記事もご覧下さい。
probrain-logical.hatenablog.com
睡眠学習は実際脳内でされており、寝ながら覚えるというよりは、日中覚えたことを整理すると考えた方が良いのかもしれません。
この記事を書いていて声を大にして言いたいのが、大勝負の前に徹夜はやめましょう。
徹夜をしてもしっかり眠らないと記憶は定着しません。
特にテスト勉強前の皆さん大事ですよ!!
という私も一夜漬けで乗り越えたことが多々ある人です。
基本的に日々継続して勉強していたものは今でも覚えていますが、一夜漬けの勉強はすぐ忘れてしまいました。
定着させたいものこそ手間隙をかけていきましょう。
最後までお読みいただき有り難うございました。
noteでは認知症関連や神経系に関する話もしています。
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