期待を受けると人は伸びる!ピグマリオン効果について
人は褒めて伸びるタイプと叩かれて伸びるタイプがいます。
正直私の個人的な見解としては、叩かれて伸びるというよりは、逆境や厳しい環境だからこそ伸びるものだと思っています。
部下や生徒など、育成に関わる方に人を伸ばす心理学の効果、「ピグマリオン効果」に関して今回は説明させていただきます。
もし、最近手のかかる部下や新人を抱えている方、是非参考にしてみてください。
ピグマリオン効果
ピグマリオン効果(Pygmalion Effect)は教育心理学における心理的行動の一つです。
効果の内容は、「教師の期待により、学習者の成績が向上すること」です。
ここでいう教師は上司や親、職場の先輩なども当てはまります。
つまり、「期待すると頑張れるから良い成績が出せれるようになるで!!」
ということです。
「厳しく叩かれて叩かれて強くなれ!!」とは真逆の考えです。
ここで注意しないといけないのが、「期待」が上司や教師、先輩や親の「一方的な期待」だとあまり効果を発揮しないケースがあります。
一方的な期待を押し付けられても、押し付けられた側からしては迷惑ですし、モチベーションが上がらないのであれば、この効果が発揮されることはありません。
例えば、子供であれば、「良い学校を卒業して大企業に就職してほしい」と期待をかけても本人が「いや、企業より福祉の仕事がしたいです。」となるとモチベーションがわきませんよね。
つまり、期待をかけるのも大事ですがこれがプレッシャーになってしまっては無意味なのです。
ゴーレム効果
ピグマリオン効果の反対効果として「ゴーレム効果」なるものがあります。
効果の内容は、「ある人物に対して周囲の期待が低いとその人物は周囲の期待通りパフォーマンスが低下してしまう。」というものです。
この効果はピグマリオン効果とついをなす効果としてよく説明されます。
正直部下の指導でこの効果に陥るのは大変危険と言えます。
失敗などが続くと叱咤したくなる気持ちはわかりますが、一度踏みとどまり、ハードルの低い課題に切り替えるなどして「期待してない」という感情等が伝わらないようにしないといけません。
ピグマリオン効果の論文
ピグマリオン効果の論文は以下のサイトで検索をかけてみました。
このサイトは色々な論文がありますのでよかったら検索に使ってみてください。
今回紹介するのは、柔道✖︎ピグマリオン効果の論文です。
被験者は高校生10名です。
柔道の講師が柔道選手に「君は将来伸びるよ」と期待を含んだ言葉をかけて教授した実験群と普通に教授したコントロール群で6日間同じ内容で練習させました。
最終的にリーグ戦形式で順位を決めるよう試合をさせました。
順位に関しては、実験群がほぼ上位を示しており、VTRの結果としても実験群の動きや投げる時の気合がよく伝わっていたみたいです。
※私は柔道未経験のため、いまいち気合というのがわかりませんが論文では推されていました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/budo1968/10/2/10_77/_pdf/-char/ja
まとめ
今回は、ピグマリオン効果に関して説明させていただきました。
部下の教育などで苦戦している方は是非取り入れてみてはいかがでしょうか?
叩けば伸びる理論はわかりますが、正直萎縮も生んでしまうのでイノベーションにはなりません。
よい指導者とは甘やかすのではなく、過度な期待をせず、部下を信じてあげれるものだと私は考えています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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