人は役割によって性格や印象が変わる?役割効果について
ハロウィンやクリスマス、遊園地の着ぐるみや節分の鬼など、仮装をすると急に人格が変わる人っていますよね。
私もですが、節分の時に鬼の仮装をして大暴れしたものです。
渋谷のハロウィンとか私は行ったことありませんが、ニュースで見る限りすごいですね。
トラックをひっくり返すのは流石にビビりましたが、みなさん思い思いの仮装をして楽しんでおられました。
仮装をすると人は多かれ少なかれ仮装したものになりきる傾向にあります。
これを心理学では「役割効果」と言います。
今回は「役割効果」について解説していきたいと思います。
役割効果
役割効果とは、「服装や立場が変わると自然とそれに合った行動を取る」という効果です。
仮装に関してはするだけでこの効果は働きます。
もし気になるようでしたら、ハロウィンパーティーで真面目な人に個性的な仮装をさしてみてください。
しっかりハジけてくれると思います。
実はこれ、仮装だけの話ではありません。
会社の社長だったり、昇進したりすると自然と行動が変わってくるのも役割効果の一つです。
これは、「ペルソナ」が関係しています。
ペルソナはラテン語で仮面を指します。
人は様々なペルソナ(仮面)を持っています。
会社でつけるペルソナ、友人の前でのペルソナ、恋人の前でのペルソナ、家族の前でのペルソナ…
様々なペルソナを持っている人は自然にペルソナ疲れに陥ってしまいます。
ハロウィンの仮装はなりたい自分になれます。
なりたい自分はなりたいペルソナなのでペルソナ疲れの社会人にハロウィンは刺さるのかもしれませんね。
ジンバルドの監獄実験
ここで役割効果に関する心理学実験のひとつを紹介します。
この実験は今では許されない内容になっています。
しかし、昔はこう言った心理学の実験は行われていました。
ものすごい話ですよね。
今回紹介するのは、スタンフォード大学の「ジンバルドの監獄実験」です。
これは1971年にスタンフォード大学のジンバルドさんという方が行った実験です。
簡単に内容を説明すると、監獄を模した施設で被験者を囚人と看守に分けるとどういった行動をとるか?というものを観察するもの。
これだけを聴いてると「ただのごっこ遊びやん」となるかもしれませんが、
「昔の心理学の実験」です。そんな甘いものではありません。
結構本格的な仕掛けもしてあります。
まず、100人の大学生に心理テストをし、その中から性格的や気質的なものの分析をして選ばれた11名が看守役、10人が囚人役と振り分けられました。
まず、囚人役の人には、警察の協力のもと、パトカーを借りて捕まえるところから再現したそうです。
そして看守役の人の前で脱がされ全裸になりシラミ駆除の薬を散布されます。
下着の着用も禁止で本当の囚人のような服装だったそうです。
看守役は看守の服を着せ威圧感を出すようにしました。
この実験は2週間を予定として実施されました。
もう一度言います。2週間を予定して実施されました。
初日は、看守役の被験者は大変戸惑いました。
「同じ人間なのに」
しかし、この状況に慣れてきます。
そして次の日、徐々に看守役の被験者が威圧的になってきます。
囚人役が看守役の被験者が侵入しないようバリケードを作りましたが、バリケードを破壊し、囚人全員のベッドを没収するなど初日では考えられない行動をとります。
そして徐々に看守はエスカレートし、トイレをバケツでするよう要求したり、従順でない囚人を狭いへやに監禁するようになったりするようになりました。
さらに日に日に看守役はエスカレートし、自尊心を傷つけるような精神的虐待も開始されました。
この実験は6日後に囚人役がストレス障害になり中止になりました。
2週間ももたないくらい酷い扱いを受けたのです。
今では考えられませんね。
この実験で明らかになったのは、「状況の力が人間の行動に影響をもたらす」ということです。
環境に関してもですが、「役割」というのは良いものにも悪いものにもなるということです。
個人的な見解
役割効果は、仮装で発揮されると思いますが、ビジネスでもしっかり発揮されると思います。
ピグマリオン効果もあると思いますが、「ここの部署のエースは君だ!!」
と言われていると少し自覚が生まれてくると思います。
probrain-logical.hatenablog.com
今リーダーや上司で部下の育成に悩んでいたらあえて役割を与えた方が良いです。
しっかり役割を全うするためのフォローも忘れないようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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