自粛警察たちの心理学(モラルライセンシング)
コロナウィルスが猛威を振るい、かなりの感染者が出ています。
世間一般は自粛ムードでニュースを見るたびに「3密を避けましょう」とのワードが飛び交っています。
このコロナ禍の中、自粛をしない人や飲食店に張り紙等で営業の自粛などを促す「自粛警察」なるものが存在します。
今回は、自粛警察をする人がどういった心理状態でこういった行為に至っているのかを解説していきたいと思います。
自粛警察とは?
自粛警察は、新型インフルエンザやコロナウィルスなどに基づく緊急事態宣言に伴う行政による外出や営業などの自粛要請に応じない個人やお店に偏った正義感や不安感により、非合法な取締りや攻撃を行う一般市民のことです。
私はこのニュースを見た瞬間絶句しました。
私自身、福祉関連の仕事をしていますので、ウィルスを運んでくる=死につながるリスクがあります。
スタッフも会社の指令でしばらくの期間不要不急の外出は控えるようにしています。
われわれのようなサラリーマンは会社に守られていますが、飲食店は違います。
飲食店の皆さんもウィルス感染のリスクに関しては十分承知しています。
しかし、営業をしないと生きていけないし、収入が入らないのです。
でもそんなの関係なしに「みんな自粛してっから店も自粛しろ!!」という理論で普段しないような迷惑行為をしてでも自粛を促してきます。
よその都合など一切関係なく、みんな自粛しているからという理由で自粛させようとしてきます。
このブログの記事の方とか分かりやすいと思います。
では、この自粛警察はどういった心理状態でいるのでしょうか?
自粛警察の心理
自粛警察はどういった心理状態で動いているのでしょうか?
自粛警察はある意味正義感でやっています。
正義感のある行為、つまり道徳的に良い行為ですね。
人は正しいこと、道徳的なものを好んでいます。
間違ったこと、不道徳的なものを自然と嫌うようになっているのです。
大規模な価値観調査でも、人々が道徳的であるということは最も人生において守るべき原則として捉えられているようです。
こういった道徳的に良い行為をすると、人間って悪いことをしたくなってしまう生き物なのです。
これを「モラルライセンシング」と言います。
自粛警察はこのモラルライセンシングというものが働いているのではないか?と言われています。
自粛警察の働く心理状態としては…
1.緊急事態宣言及び新型の感染症が流行る
2.感染拡大予防のため自粛要請が出される(強制ではない)
3.自粛を守る人と生活を続けるために店を営業する人、関係なしに外出する人と分れてくる。
4.大多数は自粛をする。
5.SNSなどで外出していることや店の営業事情を知る。
6.自粛している人たちからは「なぜ、俺たちは自粛しているのにこいつらは自粛してないんだ!!危ないだろ!!」となる。
7.「自粛を促すぞ(道徳的に良いこと)」と自粛を促す。
8.「自粛を促すために店舗をSNSで晒したろ!張り紙貼りまくったろ!』と良いことをした後道徳的によくないことをしたくなる。
と大まかに言えばこんな流れです。
まとめ
自粛警察の心理として、モラルライセンシングについて解説させていただきました。
人は道徳的なことをすると悪いことをしたくなってしまうものです。
少し話がそれますが、ダイエット頑張ったからファーストフードを食べたくなるのもそういうことです。
しかし、モラルライセンシングのみが自粛警察の心理状態ではありません。
実際、このコロナウィルスでパニックになっている中、「人の役に立ちたいから」といった承認欲求もこういった行為を起こす理由になっています。
この自粛警察に関しては実は問題視されてきています。
私自身、最近コロナウィルスで怖いのは高齢者の肺炎もですが、本質的に怖いのは人なのではないか?と思うようになってきました。
恐怖や不安があるのは誰もが一緒です。
しかし、だからと言って特定の人を傷つけるのはまた違う道理ではないかと思います。
自粛警察をする前に正しい情報を常に集め、臨機応変に社会に対応していきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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noteでは認知症関連や神経系に関する話もしています。
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