孫子から学ぶ③(自分とライバルの力を知る)
少し間が空いてしまいましたが、孫子から学シリーズ第3です。
今回は、孫子の兵法でよく聞かれる名言だと思います。
前回、前々回の記事もご参照下さい。
probrain-logical.hatenablog.com
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今回のテーマ
今回のテーマは孫子の兵法をあまり知らない方ももしかしたら聞いたことがある内容の言葉ではないでしょうか?
「彼を知り、己を知れば百戦して殆うからず」
これは、「彼を知り、自分のことを知っているのであれば、絶対に負ける気遣いはいらない」
といった言葉です。
ここでいう彼とは、ライバルですね。
この孫子ではこの「彼」というライバルを目先のライバルだけでなく、目先のライバルを含めた大多数の環境や周辺のライバルをも指します。
とにかく、「ライバルと争うなら相手を知り、自分の実力を知りなさいよ。」
ということです。
孫子の兵法は負けないことを第一に考えています。
もし、実力差があるのであれば争うという選択肢は捨てた方が良いとも言われています。
その実力差があるかどうかを知るためにも「己を知る」ということが重要なのです。
個人的な見解
戦いだけでなくプロジェクトを実行する上で準備というのは大変重要です。
入念な準備をしないと戦いにもならないしプロジェクトも頓挫してしまいますからね。
この言葉はビジネスをする上で大変ヒントになる言葉だと考えています。
この「彼を知らない」状態というのはどういうことかというと、実力がわからない人と喧嘩をするようなものです。
一見「ひ弱そうだな」と外見だけの情報で戦ったが実は、空手の黒帯でした!
めちゃくちゃ強かったです!!負けました!!と相手の情報を知らないとけちょんけちょんに負けてしまうことがあります。
少しでもその情報が頭に入っていれば、何らかの対策を立てられると思いますしね。
顔や実力を知らない相手と喧嘩をするのはお互い、未知の状態でのスタートですが、相手の情報を知っているだけで、俄然自分が有利になります。
そして自分の実力を理解していると苦手なことに関しても客観的に分析できますし、立ち回りなどの対策ができるのです。
少し物騒な例えですが、自分のこと、ライバルのことというのは調べるに越したことはないということです。
しかし、圧倒的に実力差がある相手にはどう立ち回ったら良いのでしょうか?
答えは簡単です。圧倒的に実力差がある相手とは戦わないようにしましょう。
実力差があって勝てるのはアニメや漫画のお話しです。
一応弱者が勝つための立ち回りに関してはあるので、それは今度の機会にお話させていただきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
noteでは認知症関連や神経系に関する話もしています。
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孫子から学ぶ②(小さく失敗し大きく学習する)
前回、孫子の兵法に関する内容を書かしていただきました。
probrain-logical.hatenablog.com
この本を読んでから、私自身、職場や身の回りの争い事を避け、解決策を考えるようになってきました。
孫子の兵法は争いを避けることがまず最初に記載されています。
それ以外にも、戦いになった時の心構えや準備の大切さなど、仕事や人間関係を送る上でも大変ためになるお話を多数取り揃えています。
「孫子から学ぶシリーズ」としてこれからしばらく、こういった内容でアップさせていただければと思います。
ブログをご覧になっている方のビジネスや人間関係の一助になれればなぁと密かに願っております。
では早速、今回のテーマに行ってみましょう。
今回のテーマ
今回のテーマはこちらです。
「亡国は以ってまた存ずるべからず、死者はまた以ってまた生くべからず」
という言葉です。
これは
「国は滅んでしまえばお終いで人は死んでしまったら二度と生き返りません。」
という意味です。
超当たり前ですよね。
しかし、この内容は孫子の結論部分に書かれている言葉です。
これは、前回の記事の言葉と繋がっています。
孫子の兵法は、やり直しの効かない一発勝負というのが戦争だからこそ、国の重大事であると認識しているのです。
この言葉ですが、死人や亡国が蘇るのであれば、重大事であっても致命傷ではないとも解釈ができます。
そう、失敗に関するポイントは「致命傷になるか否か?」「やり直しが効くのか?」
にあるのです。
これは現代のビジネスの場面でも当てはめることはできると思います。
現代人は失敗は成功の元という言葉を残すほど失敗には寛容です。
少なくとも私はそう思います。
しかし、孫武さんの時代はどうでしょう?
失敗が許されないし、その失敗で国が滅んでしまう可能性があるような世の中です。
そんな時代だと、戦争をするのは本当に検討に検討を重ねなければいけません。
しかし、現代は失敗しても斬首されることはないので、「小さく挑戦し、早く失敗し、大きく学習ができる」のです。
やり直しが効き、致命傷でないのであれば、しっかり挑戦すべきなのです。
ただ、ここで重要なのは、組織やチームになって「致命傷にならないか?」
というところです。
プロジェクトを提案する側も提案された側も、致命傷だけは避けるようにしていきましょう。
個人的な見解
現代の世の中は、会社員であれば、会社に守られているので比較的に挑戦しやすい環境ではないかと考えています。
良い上司に恵まれれば尚更だと言えます。
今回のテーマで何が言いたいかというと、挑戦するなら致命傷を避けることを考え、たくさん失敗し糧にしよう!!ということだと思っています。
経験値ってセミナーや、本を読んだりするより試行錯誤して挑戦した方が圧倒的に身になります。
組織やチームに致命傷を負わせないのであれば挑戦はたくさんすべきだと思います。
沢山の挑戦をすることでチーム間の絆は深まります。
まさに失敗は成功のもと!!沢山挑戦して強くなりましょう!!
ただ、致命傷を負うようなミスは、国(我々でいう会社)が滅んでしまう可能性があります。
まあ、滅ばないにしても、かなり大きな痛手を追ってしまうので、そこは注意しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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孫子から学ぶ①(孫子の兵法)
今回は、心理学とは少し離れたように感じる内容です。
最近私は、夏バテで全く動けませんでしたが、読書などでインプットはコソコソしておりました。
今回、注目したのは「孫子の兵法」です。
孫子の兵法は「キングダム」や「三国志」が好きな人は聞いたことがあるのではないでしょうか?
兵法という名前なので「戦術の話だろ?」「そんな戦いなんて今しないよ…」と思いがちですが、この孫子の兵法、とても戦争や兵法だけのお話ではありません。
まさしく人間関係の教科書と言える内容です。
正直めちゃくちゃ面白かったので、カテゴリーにも入れたい!!と考えているくらいです。
今回は孫子の兵法のさわりのところに関して説明していきます。
孫子の兵法
孫子の兵法は遡ること、約2500年前の大昔に書かれた書物です。
そしてこの本は今もなお、読まれ続けています。
主な愛読者は、ソフトバンクの社長、孫正義さん。マイクロソフト創業者のビルゲイツさんが読まれています。
ものすごい大物社長さんですよね。
他にも多数の経営者の方が読まれているのですが、IT関連の経営者が多いみたいです。
現代は、先の読みにくい時代になってきています。
私が社会人になった頃から数年しか経っていませんが、働き方がガラッと変化するくらい変化が多い時代です。
ということは、変化が多すぎるため、必ず安定する、いわゆる人生のマニュアルがない状態なのです。
そして、今は個人の時代になってきています。
仕事でもライバルはたくさんいるでしょう。
こういった競争社会を乗り切るためにも競走状態での原理原則というものを養わないといけません。
原理原則とは、「水がないと人は死んでしまうので水の確保を最優先する」といったことです。
孫子の兵法は戦争や兵法の書ですが、同時に人間関係の教科書にもなり得る内容なのです。
孫子の兵法は何を伝えたいのか?
孫子の兵法の一節はこの文から始まります。
「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。察せざるべからず」
これはどういうことかというと以下の通りです。
「戦争は国の一大事です。国民の生死、国家の存亡がかかっているから細心な検討をしないといけませんよ。」
ということです。
これが一番最初に来るのです。
この人がこれを書いている時代とは戦争真っ只中だというのに…
孫子の兵法では、最初はとにかく戦わずに敵を屈服させる方法を検討することから始まります。
それほど闘いというのは、両者を疲弊し消耗させてしまうのです。
そういった消耗をしていると漁夫の利を得られてしまうことが一番馬鹿らしいし、我々はそれを狙っていかないといけないのです。
この内容、ざっと話しましたが、我々の競争社会と少しリンクしていると思いませんか?
この敵国は現代でいうライバルや嫌いな人とリンクしますし、自国や国とは自分が所属している組織、会社を指すこともできます。
主君は上司ですね。
そういった見方で読んでみたら現代の人間関係に応用が効いてきます。
個人的な見解
全ての悩みは人間関係からくるものです。これはアドラーさんもいっていますね。
さて、人間関係で生きている以上、やはり苦手な人や争いになることというのはいい大人になっても起こりうることです。
むしろ社会に出てからこそ、苦手な人や嫌いな人ってたくさん出てくると思います。
確かに、争って白黒つけた方がはっきりするかもしれませんが、争うことにより失うものはたくさんあります。
同僚と争うことにより労力や他のチームメイトの信頼を失ってしまう可能性もあります。
ライバル企業だからといってすぐに争うのも考えないといけません。
近隣のライバル企業が、こういう商品を出した!うちもライバル企業以上のものを作ろう!!
と社員にプレッシャーをかけまくったり、過度な勤務を要求すると社員は疲弊し、会社自体も疲弊してしまいます。
争うかどうか慎重に検討を。争わないで済むなら争わないに越したことはないということですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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人間の情動を司る脳(大脳辺縁系について)
普段の記事では、「人間はこういった時どう言う脳活動をしているのか?」といった記事を中心に書いていましたが、今回は、脳の部位による役割について解説していきます。
今回は、大脳辺縁系と言う部位に関して解説させていただきます。
ちなみに、今まで大脳辺縁系が絡んでいる記事は以下の記事です。
probrain-logical.hatenablog.com
probrain-logical.hatenablog.com
この記事で紹介した際の脳活動にはある共通点があります。
そう、感情が関わっているのです。
禁煙や意思の強さ、嘘をついているか?とは違い、笑顔の時や怒っている時の脳活動を取り上げていますよね。
今回紹介する大脳辺縁系は「喜怒哀楽」「情動」など人間の本能的な面で働く部位です。
この脳機能に関して解説していきたいと思います。
大脳辺縁系
大脳辺縁系は、大脳の奥深くに存在する尾状核と被殻からなる大脳基底核の外側を取り巻くような形をしています。
わかりにくくて申し訳ありません…
この黄色で囲ってある紫色の場所が大脳基底核です。
ここの外側を囲っている場所が大脳辺縁系になります。
引用サイト
はじめにもお話ししましたが、大脳辺縁系は人間の情動、意欲、記憶、自律神経の活動に関与しています。
この部位の活動はとても重要で、生命維持や動物としての本能行動にも関わってきます。
各部位の特徴
大脳辺縁系はいくつかの部位で構成されています。
構成されている部位で役割が違ってくるのです。
前帯状皮質
脳には左右の大脳半球間の神経命令を伝達する線維(脳梁)を取り巻いています。
前帯状皮質は、血圧、心拍数の調節という自律機能を担っています。
また、報酬を予測する機能や、意思決定、共感や情動といった認知機能や感情関係の働きをしています。
帯状回
帯状回は以下の領域があります。
・情動領域
・認知領域
・空間認知領域
・記憶領域
うつ病や不安症などは情動領域、認知領域に何かしらの問題があることが多いようです。
他にも作業記憶(ワーキングメモリー)や感情も関与しています。
扁桃体
扁桃体には、味覚、嗅覚、内臓感覚、聴覚、視覚、体性感覚などあらゆる種類の刺激が、嗅球や脳幹から直接的に、入ってきます。
また、大脳皮質内で処理された情報および海馬からの情報が扁桃体に入ってきます。
扁桃体の役割は、「感情」に重要な働きを示します。
主に、恐怖感、不安、悲しみ、痛み、喜び、情動の処理など交感神経(興奮した時に働く神経)に関与します。
扁桃体は海馬からの記憶情報を統合してそれが快か不快かを判断する役割をになっているのです。
海馬・海馬傍回
海馬は、記憶のボスです。
記憶に関しては下記の記事をご参照ください。
probrain-logical.hatenablog.com
海馬は主に記憶や学習に関与しています。
しかし、この部位はストレスにとても脆弱です。
この部位が萎縮する疾患が認知症です。
海馬傍回は海馬周囲の灰白質で、人の顔や名前というよりは風景などを記憶するときに高い活動を示すようです。
海馬傍回が損傷すると、人や家具などは認証できるのに風景などが認識できなくなるようです。
認知症に関してはNoteにも記載していますので是非ご覧ください。
まとめ
今回は大脳辺縁系に関して解説させていただきました。
この大脳辺縁系ですが、最近の心理学関連の書籍や脳科学関連の書籍でよく名前を目にします。
それほど人間の生活の中で重要な部位ですので理解しておいて損はないと思います。
名前が複雑なものが多いので覚えにくいっちゃ覚えにくいんですけど、「こんな働きするんだ!!」くらいで良いと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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暑さとイライラの心理学(高温仮説について)
最近なんですが、私が働いている職場の利用者様が若干怒りっぽくなったなーと勝手に感じています。
最近梅雨が明けましたが、涼しい夏の始まりだったと思います。
しかし、8月に入って急に暑くなってきました。
人は気温の変化に敏感です。
寒暖差が激しいと体の至る所が不調になってしまうこともあります。
ここで、気温と心理学のお話なのですが…
みなさま知っていましたでしょうか?
気温が暑くなると人間は攻撃的になります。
今回は、この夏ぴったりの暑いと人がイライラする心理学に関して解説していきます。
高温仮説
この暑い時のイライラは高温仮説というのが関わっています。
暑い中生活をしているとイライラしてしまうのは誰しも経験したことがあると思います。
これは、かなりの確率で共感が得られるのではないでしょうか?
実際のところ、夏は暑さのせいで、物事をマイナスに捉えがちになってしまいます。
暑いと発汗による不快感も生じてきます。こう言った不快感は我々の判断力の低下にも大きく起因します。
さらに、以前ミラーニューロンのお話をしたと思いますが、このイライラというのは伝染してしまいます。
probrain-logical.hatenablog.com
愚痴を言っている人の話を聞くとなーんかもんやりした気持ちになるのもこう言ったメカニズムです。
要するに他の人がイライラしているのをみてしまうと共感して自分もイライラしてしまうというやつです。
夏の気温が高い環境下では、非常にイライラしやすいです。
そして、このイライラした感情かでの決断はろくな決断にはなりません。
probrain-logical.hatenablog.com
こういった時期に重要な決断は控えるようにしましょう。
喧嘩したのち、恋人と別れたくなったり、離婚の決断が迫られたりするのであれば、冷静な判断ができる秋のような気候が望ましいと言えます。
大事な決断は気温が暑くない時期にしましょう。
個人的な見解
いろんな理論を考えると気温が高くなることで、不快感が生じるというのはとても共感しやすいです。
そして、この暑い気温では、クーラーをガンガンにかけますよね。
そこからまた暑い場所に出ると、寒暖差により、自律神経系が乱れてしまいます。
そうなると偏頭痛が起きたり、体が怠くなったりと悪影響を及ぼします。
これらの兼ね合いからも夏というのは起こりっぽくなったり、疲れやすい時期なのかもしれませんね。
ちなみに、私は、この時期こういったスプレーを使用してこの時期を乗り切っています。
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仕事の合間にファブリーズのような感じで振りかけるとすんごく涼しいのでおすすめです。
夏をストレスフリーで乗り越えるのには、暑くなってもある程度冷感を感じられるよう、工夫をした方が良いのかもしれませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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人は役割によって性格や印象が変わる?役割効果について
ハロウィンやクリスマス、遊園地の着ぐるみや節分の鬼など、仮装をすると急に人格が変わる人っていますよね。
私もですが、節分の時に鬼の仮装をして大暴れしたものです。
渋谷のハロウィンとか私は行ったことありませんが、ニュースで見る限りすごいですね。
トラックをひっくり返すのは流石にビビりましたが、みなさん思い思いの仮装をして楽しんでおられました。
仮装をすると人は多かれ少なかれ仮装したものになりきる傾向にあります。
これを心理学では「役割効果」と言います。
今回は「役割効果」について解説していきたいと思います。
役割効果
役割効果とは、「服装や立場が変わると自然とそれに合った行動を取る」という効果です。
仮装に関してはするだけでこの効果は働きます。
もし気になるようでしたら、ハロウィンパーティーで真面目な人に個性的な仮装をさしてみてください。
しっかりハジけてくれると思います。
実はこれ、仮装だけの話ではありません。
会社の社長だったり、昇進したりすると自然と行動が変わってくるのも役割効果の一つです。
これは、「ペルソナ」が関係しています。
ペルソナはラテン語で仮面を指します。
人は様々なペルソナ(仮面)を持っています。
会社でつけるペルソナ、友人の前でのペルソナ、恋人の前でのペルソナ、家族の前でのペルソナ…
様々なペルソナを持っている人は自然にペルソナ疲れに陥ってしまいます。
ハロウィンの仮装はなりたい自分になれます。
なりたい自分はなりたいペルソナなのでペルソナ疲れの社会人にハロウィンは刺さるのかもしれませんね。
ジンバルドの監獄実験
ここで役割効果に関する心理学実験のひとつを紹介します。
この実験は今では許されない内容になっています。
しかし、昔はこう言った心理学の実験は行われていました。
ものすごい話ですよね。
今回紹介するのは、スタンフォード大学の「ジンバルドの監獄実験」です。
これは1971年にスタンフォード大学のジンバルドさんという方が行った実験です。
簡単に内容を説明すると、監獄を模した施設で被験者を囚人と看守に分けるとどういった行動をとるか?というものを観察するもの。
これだけを聴いてると「ただのごっこ遊びやん」となるかもしれませんが、
「昔の心理学の実験」です。そんな甘いものではありません。
結構本格的な仕掛けもしてあります。
まず、100人の大学生に心理テストをし、その中から性格的や気質的なものの分析をして選ばれた11名が看守役、10人が囚人役と振り分けられました。
まず、囚人役の人には、警察の協力のもと、パトカーを借りて捕まえるところから再現したそうです。
そして看守役の人の前で脱がされ全裸になりシラミ駆除の薬を散布されます。
下着の着用も禁止で本当の囚人のような服装だったそうです。
看守役は看守の服を着せ威圧感を出すようにしました。
この実験は2週間を予定として実施されました。
もう一度言います。2週間を予定して実施されました。
初日は、看守役の被験者は大変戸惑いました。
「同じ人間なのに」
しかし、この状況に慣れてきます。
そして次の日、徐々に看守役の被験者が威圧的になってきます。
囚人役が看守役の被験者が侵入しないようバリケードを作りましたが、バリケードを破壊し、囚人全員のベッドを没収するなど初日では考えられない行動をとります。
そして徐々に看守はエスカレートし、トイレをバケツでするよう要求したり、従順でない囚人を狭いへやに監禁するようになったりするようになりました。
さらに日に日に看守役はエスカレートし、自尊心を傷つけるような精神的虐待も開始されました。
この実験は6日後に囚人役がストレス障害になり中止になりました。
2週間ももたないくらい酷い扱いを受けたのです。
今では考えられませんね。
この実験で明らかになったのは、「状況の力が人間の行動に影響をもたらす」ということです。
環境に関してもですが、「役割」というのは良いものにも悪いものにもなるということです。
個人的な見解
役割効果は、仮装で発揮されると思いますが、ビジネスでもしっかり発揮されると思います。
ピグマリオン効果もあると思いますが、「ここの部署のエースは君だ!!」
と言われていると少し自覚が生まれてくると思います。
probrain-logical.hatenablog.com
今リーダーや上司で部下の育成に悩んでいたらあえて役割を与えた方が良いです。
しっかり役割を全うするためのフォローも忘れないようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それ、「心理学」で説明できます!【電子書籍】[ 清田予紀 ]
noteでは認知症関連や神経系に関する話もしています。
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期待を受けると人は伸びる!ピグマリオン効果について
人は褒めて伸びるタイプと叩かれて伸びるタイプがいます。
正直私の個人的な見解としては、叩かれて伸びるというよりは、逆境や厳しい環境だからこそ伸びるものだと思っています。
部下や生徒など、育成に関わる方に人を伸ばす心理学の効果、「ピグマリオン効果」に関して今回は説明させていただきます。
もし、最近手のかかる部下や新人を抱えている方、是非参考にしてみてください。
ピグマリオン効果
ピグマリオン効果(Pygmalion Effect)は教育心理学における心理的行動の一つです。
効果の内容は、「教師の期待により、学習者の成績が向上すること」です。
ここでいう教師は上司や親、職場の先輩なども当てはまります。
つまり、「期待すると頑張れるから良い成績が出せれるようになるで!!」
ということです。
「厳しく叩かれて叩かれて強くなれ!!」とは真逆の考えです。
ここで注意しないといけないのが、「期待」が上司や教師、先輩や親の「一方的な期待」だとあまり効果を発揮しないケースがあります。
一方的な期待を押し付けられても、押し付けられた側からしては迷惑ですし、モチベーションが上がらないのであれば、この効果が発揮されることはありません。
例えば、子供であれば、「良い学校を卒業して大企業に就職してほしい」と期待をかけても本人が「いや、企業より福祉の仕事がしたいです。」となるとモチベーションがわきませんよね。
つまり、期待をかけるのも大事ですがこれがプレッシャーになってしまっては無意味なのです。
ゴーレム効果
ピグマリオン効果の反対効果として「ゴーレム効果」なるものがあります。
効果の内容は、「ある人物に対して周囲の期待が低いとその人物は周囲の期待通りパフォーマンスが低下してしまう。」というものです。
この効果はピグマリオン効果とついをなす効果としてよく説明されます。
正直部下の指導でこの効果に陥るのは大変危険と言えます。
失敗などが続くと叱咤したくなる気持ちはわかりますが、一度踏みとどまり、ハードルの低い課題に切り替えるなどして「期待してない」という感情等が伝わらないようにしないといけません。
ピグマリオン効果の論文
ピグマリオン効果の論文は以下のサイトで検索をかけてみました。
このサイトは色々な論文がありますのでよかったら検索に使ってみてください。
今回紹介するのは、柔道✖︎ピグマリオン効果の論文です。
被験者は高校生10名です。
柔道の講師が柔道選手に「君は将来伸びるよ」と期待を含んだ言葉をかけて教授した実験群と普通に教授したコントロール群で6日間同じ内容で練習させました。
最終的にリーグ戦形式で順位を決めるよう試合をさせました。
順位に関しては、実験群がほぼ上位を示しており、VTRの結果としても実験群の動きや投げる時の気合がよく伝わっていたみたいです。
※私は柔道未経験のため、いまいち気合というのがわかりませんが論文では推されていました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/budo1968/10/2/10_77/_pdf/-char/ja
まとめ
今回は、ピグマリオン効果に関して説明させていただきました。
部下の教育などで苦戦している方は是非取り入れてみてはいかがでしょうか?
叩けば伸びる理論はわかりますが、正直萎縮も生んでしまうのでイノベーションにはなりません。
よい指導者とは甘やかすのではなく、過度な期待をせず、部下を信じてあげれるものだと私は考えています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それ、「心理学」で説明できます!【電子書籍】[ 清田予紀 ]
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